福祉事業者の方

高齢者、障害者、児童などケアを必要とする方々への事業は、人(=職員)が人(=利用者や入居者)と日々向き合うところに本質があります。こうした事業は、まさに人で成り立っているため、いきおい人をめぐる問題が生じやすい傾向にあります。

1職員をめぐる問題

職員、特に実際に利用者やその家族と日々向き合っている職員は、身体的にも精神的にも小さくない負担を背負っています。本来であれば、そんな職員と事業者が一丸となって、提供する福祉やサービスの向上に向けて行動できることが理想です。

しかし、ときに相互のコミュニケーションがうまくいかなかったり、職員の個性が強すぎたりすることが原因で、問題が生じてしまうことがあります。例えば、職員(特に退職した職員)がパワーハラスメントを訴えたり、根拠が不明確な残業代を請求したりするようなケースです。

また、職員が業務の内外で不祥事(例えば、窃盗、横領、傷害、わいせつなど)を起こしてしまうケースもあります。
さらに、職員同士でいじめや嫌がらせが生じ、その結果、問題のない職員がやむを得ず退職してしまうケースもあります。

職員をめぐるトラブルばかりを挙げてきましたが、職員を守ったり育てたりすることにも弁護士が役立つことがあります。職員個人が抱える問題(例えば、家族関係、借金など)について相談を受けたり、特定のテーマ(例えば、介護事故対応、クレーム対応、虐待予防など)について研修をしたりすることがあります。

2利用者をめぐる問題

利用者との関係で最も大きな問題は、事業者の不注意によって利用者に傷害を与えてしまったり、利用者を死亡させてしまったりするケースです。福祉現場での事故は、裁判例の蓄積が十分とはいえず、法的責任の予測が困難という特徴があります。保険でカバーできることもありますが、保険任せは危険です。どのような場合に法的責任が認められやすいのか、日頃から法的な視点を導入しておくことが大切です。

また、提供する福祉やサービスに問題がなくても、利用者やその家族から苦情や不当な要求をされることがあるのも福祉事業の現実です。こうした苦情等への対応は、ときに職員に深刻な心理的負担をかけることになります。

その他にも、利用者同士でトラブルが起こってしまった場合の対処や、利用料などの支払いが滞ってしまった場合の対処についても一緒に検討しましょう。

3施設運営をめぐる問題

福祉事業は、社会福祉法人、医療法人、株式会社、合同会社などの形態で営まれますが、特に社会福祉法人は、公益性を有する特殊な法人であり、一層適正な運営が求められます。行政とのやりとりも多いところ、行政側の担当者の個性によって不当な指導があった場合などは、毅然とした対応が必要となります。

また、施設を運営する場合、職員向けだけではなく、利用者向けにも様々なルール(利用規程)を設ける必要が出てくることがあります。一定のルールは、トラブルを予防したり、トラブルが起こっても円滑に対処したりすることにつながりますが、その反面、利用者側への十分な配慮も必要です。よりより福祉やサービスを提供しようとする事業者に、当事務所は積極的に協力します。

なお、福祉事業者の中には、商取引(求人広告、フランチャイズなど)について不慣れな場合があり、ときに思わぬトラブルに巻き込まれ、過大な請求をされてしまうことがあります。それでも事業者である以上、一般消費者のように保護はされません。こうした取引については、リスクを事前に十分に検討することが必要です。

以上の説明は一般論であり、下記の顧問先とは一切関係がありません。

事業例

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護保険法に基づく各種事業
  • 有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅
  • 障害者支援施設
  • 保育所
  • 児童養護施設 など

主な顧問先

  • 社会福祉法人茨城県道心園 様
  • 社会福祉法人リベルテ 様
  • 社会福祉法人寿広福祉会 様
  • 社会福祉法人霞会 様
  • 社会福祉法人砂沼会 様
  • 社会福祉法人紬会 様
  • 社会福祉法人向日葵福祉会 様
  • 社会福祉法人敬和会 様
  • 社会福祉法人慈永会 様
  • 社会福祉法人勇成会 様
  • 社会福祉法人蒼天 様
  • 社会福祉法人さしま福祉会 様
  • 社会福祉法人恒徳会 様
  • 社会福祉法人身障者ポニーの会 様
  • 特定NPO法人青少年の自立を支える会シオン 様
  • 合同会社わくわくの実 様
  • 株式会社とんぼらいふ 様
  • ワクセイ合同会社 様
  • 株式会社ナーシングホームさくら 様
  • その他

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